さくさくのうつうつ

30代の会社員さくさくのうつになった話。

大事な人に思うこと

私には大事な人がたくさんいます。

その中で仕事に自分の時間のほとんどを使っている人がいて、その人のことがとても心配です。

 

その人は仕事をたくさんします。好きだからではなく義務だからする、やると決めたからするのだ、と言っています。何かをする時、動機が内発性のものならば長続きするし続ける力になると思うのですが、例えば「お給料をもらえるからやっている」というような外発性動機の場合インセンティブによっては続けるのが難しくなると思います。

この人の場合、「義務だから」という方はどちらかというと外発性、「やると決めたから」という方は内発性寄りに見えます。学生スポーツのように期間限定のものならば一点集中で頑張り切ることもできるけれど、仕事のように何十年と続けるものは自分に苦しい動機を設定して、同じような頑張りをきかせるのには無理があると感じます。

この人の内発性の動機が自分にとって苦しくない設定になっていればいいのですが、側から見ていると苦しそうなのです。「やると決めた」理由が、「楽しいから」とか「やってみたいから」ならいいのだけれど「立場上やるべきだから」とかのような気がします。

しかもそれに自分の時間のほとんどを費やしている。自分の好きなことをする時間や、心身を休める時間、大切なひとと過ごす時間、ぼーっとする時間…取れていないように見えます。

 

その人はとても厳格なお父さんがいらして、そのお父さんのことをとても尊敬しています。自分を学校に行かせるために働いてくれていたことにとても感謝の気持ちを持っていて、そのようなお父さんの姿勢が自分の規範になっており、お父さんに恥じないように生きたいと強く思っているようです。

お父さんから「充分に頑張っているよ」と言ってもらえれば、仕事に対する頑なな姿勢も少しは柔らかくなるかもしれませんが、お父さんはすでに亡くなられているのでそれは叶いません。むしろいないからこそ、評価をもらえないからこそ、規範の厳しさは無限大となりやってもやっても満足できないし、至らないところばかりだと思わせているのかもしれません。ここが苦しい。

 

このままでは規範に押しつぶされて、仕事に殺されてしまう。この人を見ているとそのように感じます。どうにか助けたい。

自分がうつであってもそう思います。

 

もう充分に仕事頑張っているよ。結果も出せているじゃん。仕事がなくたってあなたの魅力は無くならないよ。仕事以外にも色々持っているもの多いよ。そんなに仕事にしがみつかなくても大丈夫だよ。両手を見てごらんよ。周りを見てごらんよ。大事なもの、あるでしょう?